June 30, 2006

嫌いな言葉

 6月28日の「朝日新聞」朝刊には別刷り特集ってのがついておりました。「be Extra BOOKS」と1面左肩にありますから、いわゆる読書案内ですな。1〜3面は大沢在昌、京極夏彦、宮部みゆきの鼎談、5面はその3人が勧める本、6〜7面は書店員のお勧め本、4面・8面は広告、という構成。

 出版不況といわれ、小規模書店もどんどん減っているというし、読書案内特集はいいことだ、と思う。
 思うがしかし。

 1面の、一番大きな見出しを見て、俺は目を疑ったね。すごくいやな気分になった。なにしろ3センチ四方ぐらいの活字だからインパクトは大きい。

エンタメ小説 三昧

 えんため? 昔の漫才師か。アチャコはどうした。
 どうやらこれは《エンターテインメント小説》のことらしい(リードではそう書いている。鼎談でもそう表記されている)。
 エンタメ……気持ちの悪い言葉だ。肥溜めのような響きすらする。
 日本語には《娯楽小説》《大衆小説》という言葉がある。カタカナ語がよければ《エンターテインメント小説》だっていい(ちょっと長いが)。
 なんでもかんでもカタカナにして、さらにそれをお得意の四文字語に省略する。セクハラ、パワハラ、パラパラ(これはちがうか)……。
 そういうのってもうやめにしないか。
 6-7面だってそうだ。サブタイトルは《書店員が選ぶエンタメ本》である。やれやれ、だ。なぜ書店員が選ぶ娯楽小説、じゃいけないんだ? かっこわるいのか? 古くさいのか? ダサいのか?
 エンタメのほうが数万倍、ダサいと思う。俺はね。

 しかしまあすでに世間では市民権を得ているようですな。読売新聞のサイトでも堂々と「エンタメ」っていってるし。なにかと組み合わせて「○○のエンターテインメント」を「○○タメ」と略したりもしているようだ(「橋本市のエンターテインメント→ハシタメ」のように)。
 おおいやだいやだ。
 いやだけれども、もう人口に膾炙してしまっているのだなあ。こんな些細なことで、日本語が乱れてるとか文化が破壊されているとかいうつもりはないが(だいたい俺自身、そんなたいそうな日本語をつかっているわけではないし)、このやり場のない「イヤ感」を吐き出したかった次第です。

June 28, 2006

日本の後任監督

 どうやらオシムさんらしい。それはいい。よくしらない──千葉の監督だということと、ユーゴの監督をやっていたということと、とにかく走らせる人だということと、年配だということと、まあそれくらいかな──が、いい人なのだろう。けっこう前から話題になってる人だしね。

 しかしその発表の仕方が、なあ。

川淵さん後任監督ポロリ「オシムが…」(日刊スポーツ)
 いやはや。川淵会長(キャプテンなんて呼ぶのいやだ。似合ってない)が、

成田市内で行われたW杯総括会見で、後任監督について「オシムが…」と口を滑らせた。

 んだそうですよ。テレビのニュースでもやってましたがね。

 いかにも隠し事が得意でない同キャプテンらしいうっかりミス。

 そうかあ? 隠し事、得意じゃないんですかあ。へー。ニュースで見た限りでは、とてもわざとらしかったんですが、素で間違えたんですかあ。もう69歳だし、そろそろご引退なさったほうが……? だいたいワールドカップの総括で(そりゃ今後の展望、計画についての話も出るでしょうけれど)わざわざ次期監督候補の名前を出しますかね。頭にあったとしても。
 どうにも、W杯惨敗の責任問題から逃げるための“仕組まれたサプライズ”にしか見えないんですけどねえ。そうだとすると、ジーコにもオシムにもずいぶんと失礼な話です。自己保身が最優先過大な人は自分を“キャプテン”と呼んじゃいけないと思う。

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 その後も、オシムは2年契約を希望しているとか、それを受け入れるとか、いろんな揣摩憶測が飛び交っていますが、なにしろ本人がどう思っているかオシム氏自身の口からきかないとわからんですな。うん、それだけきみの言葉は信用できないんだよね、キャプテン♪

 なんて、記事を検索したりあれこれ書いていたら、なんだ、こんなの全部セルジオ越後が書いてるじゃないか……。ちぇっ。
なぜ帰国の日に発言?惨敗の追及かわしか!!(日刊スポーツ:コラム)

【追記】


June 27, 2006

佳境に入ったワールドカップ

 決勝トーナメントでございます。日本が関係なくなったので非常に気楽です。でも同時に夜更かしする気力もわかなくなってしまうわけですが。
 もう今夜で一回戦が終わってしまいます。トーナメントが始まる前にわたしが立てた予想はこんな感じ。

○ドイツ×スウェーデンやはりホーム強し、か
○アルゼンチン×メキシコ地力の差が出そう
○イングランド×エクアドルなんとなく
○ポルトガル×オランダ単なる好みで
○イタリア×オーストラリアこれも地力の差
○スイス×ウクライナまあ準ホームみたいなもんだし
○ガーナ×ブラジル大波乱が起こってほしいかも
○スペイン×フランスフランス、調子悪そうだしなあ

 といったところでした。なんと6試合のうち5試合は当たったじゃないか。ははは。
 さてさて残り2試合、どうなりますことやら。

June 23, 2006

JPN1-4BRA

 前半30分ぐらいからロスタイムまで、ちょっとだけ夢をみちゃいました。ははは。
 しかしそのあとは、まるで「最初の1点は取らせてやる、ハンデとして。でもそのあとは、わかるよね(ニヤニヤ)」とでもいうかのようでしたな。いやはや。

 さすがブラジル。高校生相手に練習試合をしているかのようにパスが通る通る。確実に、華麗に。日本のプレッシャーがあまりないからねえ。
 やっぱりブラジルに(ワールドカップで)勝つのは向こう30年ぐらい無理なのかなあ。人間同士なので、運がよければ勝てることもあると信じたいものです。今は10回20回やって1回勝てるかどうかというところでしょうが、それが8回に1回、6回に1回ぐらいまで進歩していくといいなあと思う次第です。

 試合後の中田をみて、「ああ、この人はブラジルに本気で勝つつもりだったんだろうなあ」と思ったりしました。もちろん他の選手たちも勝ちたいと思っていたんでしょうけどね。最初から負けるつもりで試合する人はいないわけで。
 でも彼はそれよりももっと、“勝つつもり”だったんだろうなあと。川口もそうかな。
 たぶん全然納得してないんだと思う。

 技術や体力ではまだまだ世界のトップレベルとの差は大きい。でも精神力は(その気になれば)追いつけるはず。そして精神力はきっと最後の最後にものをいうのでありましょう(なんだか根性論みたいで書いててイヤですけど)。まずそこから立て直す必要がありそうです。にわかサッカー評論家としてはそう思います。

 いやあ、しかしまあオーストラリア戦が1-1だったら、クロアチア戦が1-0だったら……なんて、勝ち点シミュレーターで試してみたりして未練たっぷりのわたくしであります。なんて後ろ向きな(笑)。
 まあ世界ランク2位のチェコだって、パラグアイだって次に進めなかったのだから、ま、妥当なところでしょう。

 蒸し返しますが、98年は勝ち点0(得点1)、06年は勝ち点1(得点2)(02年はノーカウント)。この先10年、14年と勝ち点を増やしていけるかどうか、決勝トーナメントに進めるかどうか、そもそも本大会に行けるかどうか、次の世代が育つかどうかにかかっているわけです。南アフリカでも中田が走り回っていたら、それは日本のサッカーが育たなかったってことですね。

ユニホームで顔覆い、立ち上がれず 中田英(asahi.com)
W杯に涙の「別れ」 中田英、ピッチに倒れる(asahi.com)

 さあそんなわけで、ここから先は心臓にも負担をかけずにワールドカップを楽しむことができます。ニャホニャホタマクローのガーナにはがんばってほしいなあ。いきなりブラジルと当たるのが気の毒だけど。あとはアルゼンチンですかね。

【追記】
 忘れてた。恒例の「Googleで検索:ジーコジャパン 感動をありがとう」。現在(06/06/24 01:50)708件です。

June 22, 2006

そりゃそうでしょ

景気回復でも「デートより残業」8割 新入社員意識調査(asahi.com)

 いま、たまたまasahi.comをみたらトップに来ていたので。
 今年の新入社員4000人弱に訊きました。

「デートの約束があったとき、残業を命じられたらどうするか」について、残業派が80.1%で、デート派の19.5%を大きく上回った。

 72年からこの調査をはじめて、今年が残業派、いちばん多かったんですって。
 まあなんだ、どうでもいいようなことを訊くんだねえ。

デート派はバブル期がピークで、91年度には37%だったが、その後の景気低迷とともに落ち込み、残業派が増加。プライベートより仕事を優先する傾向が進んでいたが、新卒の内定率が大幅に回復した今春でも、この傾向が続いていることが分かった。

 バブルの頃はデート三昧遊び三昧だったけど、今は不況だから仕事優先ってことですか。

 えええええ? そうかあ?
 だって、新入社員ですぜ。4月に入社して、今6月ですぜ。はじめてのボーナス(新入社員だとまだ試用期間中で賞与じゃないか。形ばかりの“おこづかい”みたいなもんでしたっけね)が出たか出ないかってところですぜ。
 残業拒否してデートだなんて、許されるわけがないだろうに(というか、そういう人は就職がむずかしそうだ)。むしろデート優先の19.5%の将来が心配だぞ(業種的に、時間通りきっちり終わる人たちなのかな。それにしたって、なあ)。

 別に仕事優先がえらいとかデート優先が生意気だとか、そんなことを言いたいわけではない(自分はデート優先でも後輩には仕事優先を求めるよな、普通)。
 そういうことではなく、その分析がおかしい。
 景気回復とか全然関係ないと思う。ごく普通の常識を持ち合わせている新入社員なだけじゃないの? だって、常識をもった人間を、企業は求めているわけですしね。入社して3か月で「ぼくは今日デートなんで、残業できません!」なんて堂々という人間は、あんまり就職しないような気がしますよ(とりあえず親が急病とか、それくらいの小技は使えなくちゃね。ってそういうことではないが)。
 内心「マジかよ残業かよヤベえよ振られちまうよ」とイライラアセアセしていたとしても、断らないでしょ。それに今は携帯電話およびメールというすばらしい文明の利器があることだし。トイレにこもって「ゴメン今日ムリ」と送信するぐらい簡単だ。デートは週末にセッティングしなおせばよろしい。というか最初から週末に予定するよねデートは。昔はそんなもんはなくてだなあ、さすがにデスクからはかけられないから抜け出して外の公衆電話にいって、緊張しながら相手の会社に電話してキャンセルを告げたりしていたわけだよ。するってえと先方のよそ行きの声が、はたして周囲を慮ってのものなのか、静かなる怒りを湛えてのものなのか、どうにも判断がむずかしくてなあ、あれこれ悩んだりしたもんなんだよ。おい、聞いてんのか新人! えーとお前、名前なんだっけ?

 とまあそういう具合(どんな具合だ)。

 しかし、どうせやるなら2年目3年目の若手会社員にアンケートとればいいのに。さらに10年目20年目の忠犬、いやいや、中堅サラリーマンにも追跡調査してみると面白そうだ。 でも、毎年やることになってるんだろうな。そんでもって「今年の新入社員は××型」とかあれこれレッテルつくってあげるんだろうな。
 ご苦労なことです。

 え、今の俺ですか?
 もちろん      が最優先っすよ、決まってるじゃないですかセンパイ!

June 20, 2006

JPN0-0CRO

 おつかれさんしたー。はー。W杯無事終了です。や、まあ勝ち抜ける可能性は低いだろうとは思ってましたけどね。でも川口の神懸かりセーブとか中田の献身的な走りとかをみてると、もしかするとと思うじゃないですか。
 あははは、そんなわきゃないやねえ。オーストラリア戦の指揮官迷走といい、クロアチア戦のFW陣暴走(暴走さえしてなかったか)といい、サッカーファン、W杯ファンのあたまのなかには「決定力不足」の五文字がぐるんぐるんと回ったことと思います。ジーコの決定力っつうのはあれだ、選手交代・選手選別の決定力ですな。
 それにしても、かえすがえすもオーストラリアに勝っていればなあ……。

 かててくわえて、
3時開始の試合、ジーコ監督批判 暑さ「選手が犠牲」(asahi.com)
日本、ブラジル圧勝頼み…開始時間「逆アシスト」(ZAKZAK)
ジーコ 「TV局の制限で不利な時間帯に2試合」発言(YouTube)
 だというのだから、こりゃもうただでさえ足りない決定力をさらに削り、不安定力を増大させる勢いですね。アシュケー。
 むろん負けたのをそのせいにするのは間違ってます。涼しければ勝てたかというと、それでも微妙だろうとは思う。中田のいうとおり条件は同じなわけだから、敵も日本以上に動きがよくなってたかもしれない。いってもしかたのないこと。ええ、柳沢があれを入れていればとかそういうことですね。きっと柳沢は家族が拉致監禁されてたんだよね。決めたら殺すとか脅迫されてたんだろう。でなきゃあそこではずさないよなあ。

 それはさておき。
 中継が10時からだろうと1時からだろうと4時からだろうと、みたい試合はみるんだけどなあ。広告屋さんテレビ屋さんのことはよくわかりません。

 前回の日韓共催は開催国というおおきなアドバンテージがあったから、あえて計算に入れない。そうすると初出場のフランス大会での三連敗、ドイツ大会での一敗ときて、クロアチアとの引き分け。この勝ち点1が、日本にとっての記念すべき本当の意味での「初の勝ち点」といえましょう。
 そうだよ、8年前は3試合全部負けて勝ち点0、入れた点は1点だけだったんだよ。今年はとりあえず勝ち点1だ。得点も1点とった。最後の試合、ブラジルの胸を借りて1点でも多く入れてくれ。やる気のないFWは出さないで、せっかく“サプライズ”枠で連れてきたのだから巻も試してみてほしいぞ(大黒ももうちょっと長い時間やらせてみてほしい)。

 で、次の監督は誰?

June 14, 2006

JPN1-3AUS

 はうううううううう(ためいき)。

 普段にもまして仕事の手を抜き、速攻で帰宅して斎戒沐浴、食事もすませてテレビの前に正座して待機していたのですが(プライベート・ビューイング)。
 最初の25分はドキドキして、中村のゴールで「おおこれはいけるかも」とわくわくして、坪井が替わったあたりからなんとなく雲行きがあやしくなり(暑いなら日本に有利って言ってたの、誰だよう)、続いて小野が投入され「なんで?」と混乱して、あれよあれよという間に同点にされ、「でもまあ引き分けでもいいか」などと弱気になっていたら、逆転、そして追加点。

 きっとね、選手より監督のほうが浮き足立っちゃったんじゃないですかね。選手としては経験があっても、監督業は初めてだったわけだし。選手は目の前のボールのこと(まあもちろんそれだけじゃないけど)を考えていればいいけれど、監督は選手の状態とか戦況とかいろいろ考えないといけないしね。

 なんともがっかりな敗戦でした。

 で、オーストラリアの人たちが持っていたビニール製のカンガルー(でかい!)妙にてかてかしていて、ローストチキンみたいだなあと思いましたとさ。

June 09, 2006

まあ考え方はいろいろですが

 ワールドカップもいよいよ今日(日本時間では明日か)開幕であります。
 日本からも応援する人たちがじゃんじゃん出発している模様。今日のニュースでも成田あたりのサポーターさんたちを取材してましたな。
「日本、勝ちます!」
 おお、そうかそうか。がんばって俺の分まで応援してきてくれ。
「日本の一次リーグ3試合みてきます」
 すごいね、今日から行ってブラジル戦が22日。すぐ帰国してもまるまる2週間か。うらやましいのう。ご夫婦ですか。あれ、その帽子だけ写ってるのは……もしかしてお子さんですか? NHKもどういう配慮からか(夏休みだのゴールデンウィークだのは子供を写しまくりで「おばあちゃんのところに行きます」だの「ハワイに行くのー」だの言わせるのにな)顔は写さない。キャップだけが、パパとママの間に浮いている。
 なんですかそれ。お子様連れでワールドカップですか。
 子供の学校は?

 なんだかなあ。そりゃ楽しいでしょうよ。彼らの好きな“学校では教えてくれない経験”だったりもするでしょうよ。しかし一次リーグ3試合みせて2週間学校休ませてって、それ、どうよ。だって「義務教育」でしょ?
 子供、置いていけよ。そりゃ子供だってみたいだろうよ。サッカー少年かもしれないしな。四年に一度だしな。
 でもそれを我慢することも大切じゃないの? 「おまえもみたいだろうが、まだ小学生だ。今回はテレビで応援しろ。おとなになって、自分の金で行けるようになるまで我慢しろ。自分で行けるようにがんばって勉強して、お金も稼げ」そう言ってやるのが親としてのつとめなんじゃないの?
 まあそんな親はおらんのでしょうけど。家族揃ってパブリックビューイングかテレビ観戦、でなけりゃ家族揃ってドイツで観戦。いずれにしても家族揃って。どっちかしかないんだろうな。

 百歩譲って、そんなのは各家庭の勝手、他人が口出しするな、をよしとしましょう。だったらニュース映像に子供の顔が写らないのはなぜ? 親が「写さないでください」と言った? NHKが「やっぱ子供を写すのはマズいよなあ、夏休みじゃないし」と配慮した?(カメラのアングルからして後者と想像) そんな立派な主張があるのなら、堂々と写ればいいのにね。

 なんだかせっかくのW杯気分が、この国の将来に献杯な気分になってしまいましたとさ。

【追記】
 いやあ「ワールドカップ 子連れ 観戦」でGoogle検索したら、ありました。武藤文雄さんというかた(サッカーを観るプロ)のブログのコメント欄で論争を発見。いいじゃないか派の人は、やはり《学校に行くより貴重な体験》なんだそうです。すげえなあ。

 まあ「学校では教えてくれない」ことを家庭で教えるのは結構ですが、最初から学校で教えることを想定していない躾け・マナー・一般常識なども忘れずに家庭で教えてやってください。どうも最近は、なんでもかんでも学校に頼る親が多いそうなので。

おまえに心配されたくはない

 会社でまじめに仕事をしているとき(めったにないことなのである)に限ってバカな売り込み電話がかかってくる。どこでどういう名簿を見て電話しているんだか知らないが、とっかえひっかえよくもまあそんなに怪しげな商売が成り立つものだと感心する。

「節税のためにですねえ」
 いや、納税は国民の義務ですから。
「税金高いと思われませんか?」
 いえいえ、もっといっぱい払いたいと常々思っているんですよ。
「マンション経営のご案内で」
 マンションですか。うち姉歯物件で懲りましたからもういいです。

 まあこっちが暇なときは適当にからかって遊ぶんですがね。昨日かかってきたのはヒドかったなあ。
「××さまのライフプランのご提案を」

 お・ま・え・に・だ・け・は、俺のライフプランを語られたくねえ!

 どこの馬の骨ともわからん、詐欺か詐欺まがいの連中に俺のライフプランを云々されねばならんのか。俺のライフプラン、それは一刻も早く南国土佐をあとにしてじゃなくて南太平洋、南欧、南米、南紀白浜の4箇所に邸宅を立ててそれぞれ年間3か月ずつ過ごして余生を送ることなのじゃ! そんなことを会社で語れると思うか(誰も語ってくれとは頼んでいないわけだが)。
 たまたまけっこう忙しかったこともあり(さっきも書いたがめったにないことなのである)、からかう余裕もない。
「自分のライフプランは自分で心配するのでけっこうです」
 相手の反応も確認せずに切ってやった。てめえのライフプランの心配をしろ薄ら馬鹿。

June 03, 2006

スパム問題その後

 んでさ、ピタッとスパムが止まったなあと思ったら、なんのことはない、「数字の画像を表示させてそのコード入れないと投稿できない」機能もつけようとか思ってやり始めたんだけどうまくいかなくて結局中途半端なまま再構築してしまってコード入力の欄だけできてしまってたのでこれは誰が逆立ちしても承認もなにも届かないわなあということに今日になって気づいたんでした。すまんすまん。誰に謝ってるんだか。もしかしたらコメントしてくれたかもしれない人にです。可能性低いけども。思いっきり馬鹿ですね私。

夢と我慢にあふれる

 まあそんなこんなでバァロォな気分だったのを一気に吹き飛ばしてくれるニュースが(何日引きずってたんだよ)。

「踊る埴輪」に「馬を曳いている姿」説浮上 町、戸惑い(asahi.com:社会)

 なんか好きだなあこのニュース。
 シェーをしている埴輪(「シェー」ってなあに? というよい子のみんなはお父さんかお母さんかおじいちゃんかおばあちゃんに訊いてみよう)のポーズは、シェーではなく(いや最初からシェーじゃなかったですね)、踊っているのでもなく(「踊る埴輪」ってことになってたんだね、知らなかったよ)、馬を引いていたのだ、ということになりそうなんですと。ドナドナ埴輪なんですと。
 それは別にいいんですがね、その発掘現場でありますところの埼玉県江南町が“戸惑っている”んだそうですよ。町がね。

 しかし、この10年、全国の研究者の間で「踊っているのでなく、馬曳き(馬子)の姿」とする見方が広がり、ほぼ主流になっている。こうした流れを、朝日新聞も4月20日付朝刊の文化面で伝えた。専門家によると、手を上げた埴輪は、馬の埴輪と一緒に出土する例が全国的に増えていることも「馬子説」を後押ししているという。

 まあなんでもいいよって気がしないでもないんですけどね、でもその当時馬もちゃんと飼ってたんだーとかいろいろ歴史的な意義があるのでしょう。んで。

 この指摘に困惑しているのが江南町だ。

 町のホームページを開くと、埴輪の画像とともに「踊る埴輪の里」というキャッチフレーズが目に飛び込んでくる。街頭の看板や広報誌の表紙に使われるなど、町の象徴として町民に親しまれてきた。

 地元農協の地場産品として「おどるわいん」も販売されていた。町づくりの基本構想にも「豊かな収穫に感謝するために踊った古代人の姿から、夢とロマンにあふれるまちづくりをめざす」と、埴輪が大きくかかわっている。このため、従来の解釈を「おいそれ」と変更するわけにいかない事情もある。

 うひゃひゃひゃひゃ。笑っちゃいかんか。でも笑えるじゃないか。
 ふむふむ、サイトがあるのね(江南町サイト)。おお、出ている出ている。どこのページにも「踊る埴輪の里 江南」という文字と埴輪の絵が。CIというかTIというか、まあ売り物があってよかったねという感じです。

 でもさあ、いいんじゃない? 馬子だって踊ってただろうしさ。踊りながら馬を引いたこともあったでしょうしね。ま、キャラクターとして考えればいいと思うんだけどな。そんなに悩まなくていいよ。
 もっとも《夢とロマンにあふれるまちづくりをめざす》などという陳腐かつダサダサなキャッチフレーズは早急になんとかしたほうがいいと思いますけどね。埴輪のポーズがなんであるかということよりも、安易な言葉、手垢にまみれた言葉を使って平気な言語感覚のほうが、問題だと思うけどねえ。

JPN2-2GER

 というわけでもうすぐワールドカップである。でもってその直前の練習試合っつうか親善試合である。なにしろヨーロッパってのは遠いので時差がある。あっちの午後がこっちの夜中だったりする。日本代表はまずはドイツと、そしてマルタと親善試合を行うのであった。
 ドイツ戦はもう終わっている。みんな結果を知っている。今さら書くようなことはとくにない。負けなくてよかった。でも勝たなくてよかった。どうも「勝っちゃうと調子に乗って油断する日本代表」というイメージがある。2002年のトルコ戦とかな。
 もっとも「負けて自信喪失して、やっぱりダメダメになってしまう日本代表」というイメージもあるわけだが。
 だから引き分けでよかったよかった。高原くんが点を入れたのもよかったよかった。ああ、あの人はフォワードだったのですねと思い出させてくれてよかったよかった。中田くんも熱くなっていたようでよかったよかった。2点目の知らんぷりスルーはステキだった。加地くんが怪我をしたのはよくなかったよくなかった。こら、なんとかタイガー、親善試合なんだからあんまり無茶すんな。でも代わりに出た駒野くんもがんばっていたのでよかったよかった。
 それにしても、ゲルマン民族大きすぎだよなあ。ズルい。

 よくないのはテレビである。
 ドイツ戦はテレビ朝日が放送した。民放という時点で多少の危惧はあった。
 新聞には、日本時間午前3時半から、と書いてある。日本時間というぐらいだから日本の時間だ。ワタクシが所有している目覚まし時計(電波くん)の時間である。頼んだぞ電波くん、というわけで3時半起床である。5時半ぐらいに終わるから二度寝すればいい。午前中は休みだ。そこまでして見る必要があるのかどうか、一瞬疑おうかなーと思わないでもなかったが、やめておく。4年に一度のお祭りだ、気にしない気にしない。4年に一度のお祭りはほかにオリンピックと冬季オリンピックなどがあるが、気にしない気にしない。

 それはさておき。
 テレビをつけるわけだが、放送などしていないのであった。いや、まあこれは言葉のアヤだ。誇張だ。むろん新聞のテレビ欄で確認している。4時半からだってな。ほう、そうかい。録画かい。本日の深夜、3時4時にテレビをつけて視聴する連中というのは、まあかなりのサッカー好き、もしくはワタクシのようなお祭り好きであろう。他には誰も見ていない。他局との競合も考えなくてよい。マニアックな放送だってウェルカムだ。
 なのになぜ録画。素直に3時半から放送しろよ。多少の放送事故はご愛敬だ。あれが「ああ、電波くん(こちらは放送のほうね)も頑張って飛んできたんだなあ、でも音声ちゃんがヒマラヤ山脈にひっかかっちゃったのかなあ」というライブ感を盛り上げてくれることもある。
 で、放送は4時半から。1時間待ちですか。まあ、あれだ、選手の乗ったバスが渋滞で遅れてるってことにしよう。

 東京のスタジオではうるさい川平くんとセルジオ越後さんが。そして現地には角沢くんと松木さんが。
 え……。
 まさか、やるの? この夜中にやるの? あの民放名物「ひっぱれひっぱれ大行進」をやるの? こんな、時間なのに? ゴールデンタイムとかじゃなくて、深夜、いやむしろ明け方ですよ。まさか、ねえ。そんな。

 やりやがった。
 このあと注目のスターティングメンバーの発表です! はいコマーシャル。まもなくキックオフ! はいコマーシャル。
 なにがスタメン発表ですか。なにが「まもなく」ですか。もうやってんじゃん。始まってんじゃん。ニュースとかいらないじゃん。30分引っ張って、なにがうれしいのかなあ。テレビ局様ってそんなにえらいんですかね。

 ちゅうわけで試合開始は5時だ。えらい渋滞だったねえ。
 0-0で前半折り返し、ハーフタイムです。もう外はだいぶ明るいよ。爽やかな朝だなー。今日の天気はどんなんかなー。ちょっとチャンネル替えてみるかなー。
 日テレ。なんていうのかしらないが朝のニュースショー(あの手の番組はめったに見ないからどれがどれやらわからん)。画面右上には「高原大活躍2−2」みたいな文字が。
 えー……。

 なんだか近来まれに見る脱力感を味わうことができましたよ!
 いやあ、テレビ局様に逆らっちゃいけませんね。わしら愚民は、与えられる番組を、ただひたすらありがたがって拝聴させていただいているのが一番平和で安全なんでしょうね。はいはいわかりましたわかりました。
 なんでクロアチア戦が民放なんだろう。全部NHKでやってくれればいいのになあ。え、クロアチア戦もNHKでやるって? ハイビジョン入らないんだよウチはよッ。