「産婦人科」→「女性診療科」 総務省が厚労省に要請(asahi.com:暮らし)
正直、わたくしにはわかりません。だったら取り上げるなってことになるんでしょうけど。でも、なあ。
「産婦人科」という名称がイヤなんだそうです。抵抗を感じる人がいて、なおかつ現場でもニーズに合わないという声があったとか。
高校生の娘を持つ母親から総務省に、「体の具合が悪い娘を連れて行こうと思ったが、産婦人科には妊娠などのイメージがあり、抵抗感がある」という声が届いたのがきっかけ。総務省が医療機関に尋ねたところ「産婦人科という名はニーズに合わない」などの声が多かったという。
ふーん。
そういうもんなんすかね。そもそも産婦人科って「産科」と「婦人科」なんじゃないの? たんにそのふたつを続けて呼んでるだけかと思ってましたが。ちがうのかね。
まあ、当該する科の患者さんおよびその候補がイヤだっちゅうんなら女性診療科でも女性科でもメス科でもどうとでも変えりゃいいと思うんですけどね(男性診療科っつうのもあってもいいよな)。「イヤだったらイヤなの!」という人に対しては何もいいません。
だが。
名前変えてどうするっての? 現状にそぐわなかったりするんだろうか。赤ちゃんができたから女性診療科に行きますってか。それはそれで、なあ。
だいたいさあ、このお母さん、自分の娘の健康とか考えてないような気がしてならんのじゃが。「産婦人科に娘を連れてったら、ウチの子がふしだらなことして妊娠しちゃって中絶しにきたんじゃないかしらってご近所に噂されちゃうわ」と、自分の世間体のほうが大事なんじゃなかろうか。そっちのほうを問題にしたいね、俺は。
そもそも今どき産婦人科に妊娠というイメージがあるって決めつけちゃうのもどうかと。もちろん「産科」を含んでいるのだから産むために来る人も多かろう。が、「婦人科」もあるわけですからね。むしろ最近は(これだけ少子化なんだからさ)そちらのほうが需要があるようにも思える。
だから「産婦人科」から「産」を取れという主張なのならまだわからないでもないが(わからんけどな)、なんだかよくわからんような「女性診療科」などという名称をでっち上げるってのがよくわからんのですよ(まだ《例として》挙げているだけですけどね)。ってことは、じゃあその医者は「女性診療医」と呼ばれることになるんですか。男でも女性診療医。
診療なんて、医療全般なんにでも該当するんじゃないの? 内臓疾患診療科、外傷診療科、呼吸器診療科、泌尿器診療科、etc.と、どれにつけたって実状からは遠くならない(あ、レントゲン診療科は変ですね。麻酔診療科も)。
しかし産科婦人科を女性診療科にしてしまうと、わけわからんことにならんですか? 女性を診療するっつったって、女性の患者は内科にも外科にもいるわけだし。とすれば女性特有疾患診療科にしないといかんのじゃ内科ないか。それじゃ長すぎます。じゃあもっと具体的に、子宮・卵巣・ホルモン科とかではどうですか。あとハツとタンとレバーもね。焼き鳥かよ。
解決策。
産婦人科医院にはドアをふたつつけて、ひとつに産科、もうひとつに婦人科の看板をつける。患者は自分の好きなほうから入る。それでいいんじゃないでしょうか。ダメ?
【追記】
日刊スポーツのほうが詳しいや。
「産婦人科」を「女性診療科」に(日刊スポーツ:社会)
こっちだとこの《声を届けた》母親(日刊スポーツでは《相談》となっているが)、もっとすごいこといってる。
「高校生の娘を連れて行くのに、妊娠や性病のイメージがあって心理的な抵抗感がある」
わはははは。
おかあさん、あんたの抵抗感なんて子供の健康に比べたら屁みたいなもんじゃろうが。子供にきいたのか? 「産婦人科に行きましょう。抵抗感ある?」と。
ほかにも、「女性として通院しにくい」という相談もあったそうで。
なんじゃそりゃ。女性診療科(か、その手の名称)に変わればイヤじゃないんですか。ふうん。そりゃ女性診療科なら女性は通院しやすいんだろうけど(男性は通院しにくいが)(通院しません)さ。だけど肛門科に通うのとどっちが《女性として》イヤかっちゅう問題も残っておろうが。
結局、際限なく細分化していくか(「産科」「婦人科」「不妊治療科」「性病科」……)、とりあえず入り口だけ大きくして(「女性クリニック」「女性科病院」などと)女性すべてを受け付けたうえで、中で分けるか、どちらかしかないのかねえ。
しかし、そうやって医療機関・医療科・疾病にこだわることがエスカレートしていくと、マンガ『ブラックジャックによろしく』でも取り上げられたような、精神科にかかる患者全般に対する差別につながっていくんだろうなあ。なんだかなあ。
【さらなる追記】
っていうか。あるんじゃん。女性診療科。
東大病院にも日本医科大第二病院にも大阪市立大学病院にも、ほかにもいっぱい。
まあ大学病院が多いようなので、もしかしたら町医者にはなにか制約等があるのかもしれません。上記日刊スポーツの記事には、
産婦人科の診療科名は、医療法施行令で「産科」か「婦人科」にしか言い換えることができず、導入には政令の改正が必要となる。
とあり、検索で出てくる「女性診療科」がどういう位置づけなのか、そこらへんのことはよくわかりませんけどね。
でもまあとりあえずは存在しているわけだ、女性診療科は。
世間体が大切なお母さまは、そういうところにお嬢さまをお連れになってはいかがでしょうか。苦情を届け出たり相談したりしてる場合じゃなかろう。
「産科」と「婦人科」両方やってるのが「産婦人科」であって
この「イヤ」って言ってる人は「婦人科」にかかりたいのだから
「婦人科」だけやってる病院を探して行けばいいだけの話と
違うんですかね・・・。
http://www.kao.co.jp/laurier/health/20041201/000.html
http://www.cocokarada.jp/hospital/25/tokyo/?vos=nkkdovtw113000
http://www.jineko.net/clinic/kanto/tokyo/shibuhoumen/
とかとか、この辺で探せるし。
けっこーあると思うんだけど。
田舎だと無いのかしら。
「レディースクリニック」って言ってる所とかあるのにね。
ってか、親がギャーギャー言う事ちゃうやん!!
私は肛門科であろうが産婦人科であろうが平気。
だって、行かないで悪くなったほうが嫌やもん。
さんざん産婦人科で診てもらった総合病院で働いた
私って・・・・。気にしなさすぎなのかしら?
emiさま。
ほんと、このお母さん、ググるってことを知らないんでしょうかね(知らないか)。
しかしそんな苦情(いくつ来たのかしらんけど)をいちいち真に受けて厚労省に「なんとかせえ」といってしまう総務省。アホかと思います。ほかにやるべき仕事、あんだろーが。
ポン子さま。
本題より「さんざん産婦人科で診てもらった総合病院で働」くっていうほうに興味が(笑)。逆(働いていた病院で診てもらう)ならばなんとなく想像がつくんですが──気心が知れてるとか患者からの評判を耳にしているとか──、その反対だと「患者だったときはあんなに立派なセンセイだと思っていたのに、こんな人だったのか!」とかありませんでしたか?
一気に幻想が崩れ去ったりとか。やっぱ別のところで念のために診てもらおうとか。
ていうことは、いまのいままで、産婦人科にうしろ暗い思いをしながらかかっている人がけっこういたってことなんだろうか。イヤ〜知りませんでした。産婦人科でいいじゃないか。女性云々とするより、よほど格調が高いと思うが。
どうも周囲の女性のみなさんにおかれましては抵抗のあるかたが少ない模様。
とすると、苦情っつうか相談っつうかした「お母さん」のほうが特殊であると断言してみることにします。ぎゃあぎゃあうるさく文句をいえば、「ったくうるせえなあ、しょうがねえからウケタマワッテおくか」というようなことで応対し、それがいつのまにか「そのように前向きにゼンショする」ってことになり、マスコミに流れた時点で「変更を検討する」っつうことになってしまうのか。
なんだかじつに(いろんな意味で)エネルギーの無駄という気がしてしまうのですが。