宮藤官九郎『タイガー&ドラゴン』(角川書店/1700円)
テレビドラマ『タイガー&ドラゴン』のシナリオです。全11回のシナリオに加えて、元になった落語11篇も収録。テレビドラマのシナリオなんて誰が買うんだよ。俺か。
笑って泣かせる小虎(虎児……ドロップアウトしたヤクザ)と小竜(竜二……ドロップアウトした落語家のものがたり。ドラマでも充分楽しみましたが(欠かさず録画してしまった。が、一度だけ野球中継が延びて途中で切れていた。くっそう)、見られなかった分もふくめて文字でも読んでみた。
まだ記憶が新しいんで、よみがえるよみがえる。でもやっぱり映像でみたほうが楽しそうだな。DVD-BOXの魔の手が……。
後半の落語(ちくま文庫の『らくご百選』などから収載)も、知らない人には親切かも。子供のころ角川文庫の『古典落語』全10巻を読んでいた俺様(落語のLPも20枚ぐらいあったなあ)としては、なんか微妙。やっぱり最近の若い衆は落語なんかしらないのかねえ。昔だって、そりゃまあわざわざ“読む”なんてこたぁしなかっただろうけれど、テレビつけりゃしょっちゅうやってたもんだ。正月の寄席中継だってあったし(今もあるか)。もっとも、寄席があんなに狭いってのは行ってみないと実感できないかも。
いっぽう連ドラになる前の2時間スペシャル『三枚起請の回』が収録されていなかったのは残念。別売になってやがる。文庫になるときに一緒にするって魂胆か、角川め。
てなわけで口調がアレでございますが、ドラマを楽しめた人にはお勧め。奇しくも7月19日は宮藤官九郎35歳の誕生日。