January 24, 2005

恥を晒してうれしいか

前のエントリーを書くために新聞を確認したら、ごく近くにもひとつ香ばしい投稿があったのでついでに紹介する。

横須賀市の主婦(36歳)の投稿だ。

娘が破った本
買うつもりが

というのがタイトル。幼児と絵本という共通点があるせいか(やれやれ)《絵本のDVD上手に使って》のすぐそばに紹介されている。


例によって状況説明から入る。

 病院で順番待ちしていたとき、子守をしながら隣のビルの本屋にいたという夫が、携帯電話でメールしてきた。2歳の娘が、立ち読み中の絵本を破ってしまった、とのこと。

なんなんですかね、こういうのは。じぶんが《病院》にいようが夫が《隣のビルの本屋》にいようが、メールしてこようが電話してこようがどうでもいいと思うのだが。それともアレか、病院でなければふつうに電話してこれたから対応がすばやくできたとかそういうことか。
投稿者は《すぐ「買い取って」と返信した。》んだそうですが、時すでに遅し、店員になにも言われなかったから夫はそのまま戻ってきましたとさ。うん、ここで「病院」「携帯メール」の伏線が生きてくるわけですね。
この人には、建物のそとに出て電話をかけるという発想はなかったようだが、できれば足を骨折していて歩けなかったとか、そこらへんも伏線張っておいてほしかった。

夫が娘をきちんと見ていなかったことになるわけで、責任を取るべきだった。

と、彼女は常識的な人なので、夫の監督不行届きである、ということは理解できるのでした。

っつうかこの夫、馬鹿ですか。馬鹿だとしか思えないんですが、私が変ですか。
2歳児つれて本屋に行き、2歳児が絵本破り、できたことといえば「××が絵本破っちゃったよ〜(^_^;)どうしよ〜(^o^)/」と妻にメールを1本送るだけ?(メール文面は想像)(あたりまえだちゅうの)
普通、その場で買い取らないか? 仮にすごいお得意さんで、お店が「いえいえめっそうもございませんMさま」ぐらいのことを言って破れた本を引き取ったのだとしたら(ないない)、せめて他の本を20冊買うとかするんじゃないか? しかし彼は《手ぶらでもどってきた。》のであった。

なので、この馬鹿はほっとこう。
投稿者はマトモなので(私はマトモよというオーラが行間からにじみでている)、考察する。

  • 本というものは返品がきく。返品するなら本屋は損をしない。
そうだけど、返品するときの輸送費も含めて原価には入っているわけです。その原価は、書店や消費者が負担しているわけです。だから、細かいことを言えば破った本を買い取らずに返品させたということは商品の値上がりにつながります(数銭という単位かもしれないけれども)。
  • 返品したことで、販売される機会を逸した著者に申し訳ない。
  • ものを傷つけてはいけないと教えるチャンスを逃してしまった。
  • 本人(って子供のことですな)と本との出会いを逃してしまった。
そこまでわかっているんだ。えらいなあ。とでも言われると思ったかこいつは。 で、社会のしくみも子供の教育も、いろいろわかってるのよワタシは的投稿者のしたことといえば、《本屋にもおわびの電話をした》ことぐらい。そして、
「返品済みなので、気になさらないで」と言われた。甘えていいのかも知れないが、本が泣いているような気もした。

甘えてよくねえよ。 電話一本で謝罪したつもりになってるのかこいつは。本屋に出向いて、きちんと謝って、代金を支払うべきだろう。それでも「気にするな」と言われたら、別の本を購入すべきだろう。そうやってその破いてしまった絵本の著者の本を買ってはじめて《著者に申し訳なく思った。》と書きなさいな。 もしその著者の本がなければ、とりあえずその書店でなにか1冊買って、AmazonででもBK-1ででもその著者の本を1冊買いなさい。それだけのことをしたうえで、夫の不行届きの《責任を取るべきだった。》と書きなさいな。

きびしすぎる? 子供のしたことだから仕方ない? 本屋がそこまで要求していないのに、そんなことする必要ない?
確かにきびしいかもしれない(子供のしたことだから、ってのは、それは被害を受けた側が「まあ子供のしたことだからしょうがない、許してやるよ」というときに使うことで、加害者側が言うべきことではない)。本屋さんが要求していないなら、そのままほっといてもいいのかもしれないが、だったら新聞に投書なんかするなってことです。
自分なり自分の身内なりが何か悪いことをしました。それによって傷ついた人がいたかもしれない。思慮が足りなかった。いまは反省している。
というのは投書によくあるパターンなわけですが、反省するのは結構だが、どういうフォローをしたのかが書かれていないことが多いんだよなあ。
じぶんは「ああしまった失敗した。でも今度から気をつけよう」でスッキリするのだろうが、そこで被害を受けた人はどうなるのか。通りすがりでぶつかって転ばせてしもうた、みたいな被害者の特定ができないケースは仕方ないにしても、この投書のように、被害者がはっきりしている(著者、書店、出版社)のに、電話1本ゴメンと一言で済ませるのはどうかと思うわけです。
しかも「自分はいろいろわかってるのよ臭」がキツい。

わかってないよMさん。あなたの旦那は馬鹿だが、だからといって、あなたが利口だというわけではない。あなたの反省は口先だけだ。やれること、やるべきことをやらずに、口だけで反省するのはとっても楽だよね。
そういうことを知らずに、世間に恥を晒してるってことにも気づかず、36歳にもなってそんなふうに生きていけるとは、うらやましい限りです。

投稿者 percent : January 24, 2005 01:53 AM | トラックバック (0)
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コメント

おお! 立て続けに香ばしい思いをさせていただき、ありがとう
ございます。いやあ、このケースはだんぜん旦那がバカでしょう。
どうすればいいかわかんなくて電話してきたのが、旦那じゃなく
て、2歳児のお兄ちゃんかお姉ちゃんだったら少しはマシだった
かも知れないけど、旦那だもんよ。もう目も当てられねえや。

Posted by: P柿 : January 24, 2005 04:19 PM

もう目も当てられねえや。
江戸っ子弁で聞くとすっきりしますね。
おとうさん
どうすればいいか?分からなかったのですねそういう時は*0.3%の真実*へご相談を。
なんていってる場合ですか!
ほんまに呆れてコメントする言葉も見つかりまへんぇ。

Posted by: メジロ : January 25, 2005 09:07 AM

江戸弁に京都弁ですか。コメントありがとうございます。
やっぱこの旦那、阿呆ですよね。阿呆100%ですよね。
だって、本屋に謝罪の電話したのも奥さんですよ。自分でしなさいよそれくらい。「あのときはちょっとウロタエテしまって、ちゃんとお詫びもせずに申し訳ありませんでした」とか言って、菓子折りのひとつも持ってもう一度いきなさい旦那。
でもこの奥さん、ちょっとダメなオット(私がいないとダメなのよねこの人は)を庇護している自分が好きなんでしょう。いずれ愛想がつきると思うけど。
そしてダメなオットはしっかりもののツマにコントロールされているのが快適なのです。こういうのを割れ鍋に綴じ蓋といいます。
よかったですね横須賀のMさんご夫妻。

Posted by: ぱと : January 25, 2005 04:50 PM
まあ気楽にコメントしてくれたまえ。もうしわけないが、スパムが多すぎなのでコメントは管理者の承認後、掲載される。まあ気長に待ってくれたまえ。









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