もういいよって感じの、13日と14日に書いた絵本DVDの話のつづき。我ながらしつこいな。
でも、目に入っちゃったんだよう。
「0.3%の雑文」のほうではおなじみの「朝日新聞@NHKと仁義なき戦い中」の読者投稿欄「声」欄(1月22日付)に、兵庫県三木市の主婦(31歳)の投稿が載りましたとさ。
絵本のDVD
上手に使って
というタイトルなのだが、これがよくわからない。
いきなり、
ほぼ毎晩、自分たちの選んだ本を1冊ずつ読み聞かせています。
である。なぜ「読んでいます」「読んでやっています」じゃあいかんのだ。寝る前なんだからさ。それとも、寝る前の10分間(6歳と4歳の子、それぞれ10分ずつなのかそれとも5分ずつなのかわからないが)絵本を読んでやるのを「読み聞かせ」とは大げさな。「寝かしつけ」とでも言えばよろしい。いや、今日はその問題はどうでもよかった。先に進もう。
第二段落は、いろいろ買ってやりたいが高いから、というエクスキューズをつけて、図書館で借りてますよ、と。《買いそろえてやりたいと思いますが》というところがいじましくてよろしい。お金があれば買ってやるのに、ということなのだろうか。多分違うな。
そして、子供たちの選択基準の話だ。アニメ本もあれば図鑑もある。同じところで笑ったり、同じところで質問したりする、と。
それがどうした。いやそれ、ぜんぜん普通じゃないですか? 自分の子供のころのことを思い出しても、そうじゃなかったですか? そもそも投稿者の子供の本選びの話なんざ、こちとら興味もないわけですが。意味のない段落ですな。
さらに、《昼間怒って泣かせた日》なんかは本を読んでやると満足そうなのでほっとする、というわけです。昼間叱られたことを夜寝る時まで根に持ってる子供もあんまりいないような気がするが。
もしかして、昼間ヒステリー起こして子供に当たり散らしたけど、夜は絵本を読んでやって、「ああとりあえず今日も母親業しっかりできたわワタシ」と満足してるのは投稿者自身じゃなかろうか、と意地悪に考えてしまいます。
で、なによりワケワカンネーのが最終段落。ふたたび先日の記事を紹介し、
初めてママになる人はぜひ自分で絵本を読んであげて、にっこりする我が子を確かめた上で、上手に使ってほしいと思います。
と締めている。
「絵本DVDも便利だし、安そうだし、ワタシは買うわよ使うわよ。でも新米のママは最初にちゃんと絵本を読んでやってからにしなさいよね」というのが本投稿の主旨なのであろう(ほんとかよ)。
まあそれは意地悪すぎる見方かもしれない。いきなり親がDVDを与えるのではなく、図書館や書店で実際に絵本にふれさせ(書店のは商品ですが)、子供がどんな絵本を選ぶかを観察するのも興味深い。寝る前はやっぱりテレビ画面にうつった絵本モドキではなく、本当の絵本を読んであげるほうがいい。というようなことなのでしょう。
それにしてはわかりにくい。
もうね、圧倒的にわかりにくいんです、この投書は。
本紙経済面で「人気絵本がDVDに」(12日)を読みました。
と書き出すならば、「「人気絵本がDVDに」(12日)という記事を、二児の母である私も興味深く読みました。」ぐらいにしておきましょう。なんでこういう投書って《我が家には6歳と4歳の娘がいて》みたいな書き方するんでしょうかね。
で、寝る前の「読み聞かせ」だの絵本は高いから図書館で借りてるって話は省く。でもって、「DVD絵本を与える前に、子供と絵本を介してすごす時間を持ってほしい」「図書館で、無数の本のなかから子供がどんなものを選ぶのかを観察するのも楽しい」「寝る前のひとときは、テレビ画面ではなく母親の肉声が子供を落ち着かせ、眠りに誘うと思う」みたいな感じでまとめるのはどうでしょうか。どうでしょうかって言われてもな。
だけど、ぱっと読んだら、この人、絵本DVDの発売元の回し者かと思っちゃう人もいそうだ。タイトルのつけかたが悪いわけだが。
「絵本のDVD上手に使って」ではなく「本当の絵本にふれさせて」とかだったら、すんなり「便利なものを否定する気はないが、基本を忘れなさんな。原始的な絵本にもよさはあるんだよ」というふうに理解できたと思うわけです。でもそれじゃあ経済部の人とか伊藤忠の人が怒るのかもしれないね。
というわけで、投稿するときは充分に推敲しましょうというお話でした。違います。
なんだかこんだけ引っ張るなら、「雑文」のほうにまとめればよかったねえ。どうでもいいか。
ぎゃはは! 切り口も鮮やかな、すばらしい記事をありがとうございます。
なにしろともかく経験からものを言いたいのでしょう。
ある意味正しいんですが、これが子育て問題になると、とたんにイヤ〜な
汁がぽたぽた垂れてくるのは、なぜでしょうね。
作文がバカでも、逆にとってもお上手でもイヤ度には大差がありません。
これは筆者が女親でも男親でも同じことです。
あたかく見守るにも限界がありますね。
ウケましてありがとうございます。
いやあ、なんかね、きっとマジメな人なんでしょうし、意地悪かなとも思ったんですが、意地悪上等なもんでね。
しかしこういうのを採用する朝日新聞にも困ったもんです。