April 27, 2004

あなたは犬を愛していますか

狂犬病予防接種率5割切る ペット人気も危機感薄く asahi.com [update]なのでいずれリンクが切れるおそれあり)

夕刊では一面だ。いわゆる「ひまネタ」ってやつですか。あはは。
なんて笑ってられない話なのである。

なにしろ狂犬病は致死率100%だ。罹って発症したら例外なく死ぬんである。犬じゃなくて人間が、だよ。年間5万人が死んでるんだそうです。こわい。

日本では犬を飼うときに、地方自治体に登録する義務がある。登録されている犬の数は578万頭。そのうち狂犬病予防ワクチンを接種しているのは461万頭。約80%が接種しており、

WHOは、流行を防ぐには70〜80%以上の接種率が望ましいとしている。

という基準はクリアしている。

ならだいじょぶじゃんというなかれ。犬を飼う人はどんどん増えてるのに、ちゃんと登録しない馬鹿&予防接種しない馬鹿もどんどん増えちゃってるのである。
いろいろ調査してみると、実際に飼育されている犬は約1000万頭。登録されてるのとされてないのとが半々ぐらいで、実際の接種率は5割を切っている、と。もし輸入動物などによって狂犬病が持ち込まれると犬の間で広がる可能性があるんだそうだ。なんじゃそりゃ。

わたしが言いたいのは、狂犬病が流行るかもしれないから犬に近づかないようにしましょうね、ということではない。人間が噛まれることを心配してるんでも、犬のあいだで狂犬病が大流行することを心配してるんでもない。
自然なんて気まぐれなものなんだから、この島国のやつらが気に入らないとなれば、なにかのきっかけで――輸入動物からであれ土着動物からであれ――狂犬病が我々の生活をおびやかすことはあるだろう。

わたしが言いたいのは、犬を飼うんなら、最低限守らなきゃいけないことがあるのを忘れてませんか、ってこと。それだけだ。

記事の最後はこう結ばれている。

 狂犬病予防法は、犬を飼い始めて1カ月以内に市町村に登録し、年に1回、狂犬病ワクチンを接種することを飼い主に義務づけている。登録と接種に各3000円程度かかる。登録制度は、犬の所在を把握して狂犬病などの発生時に直ちに対応できるようにするため。

やれやれ、だ。情けないったらありゃしない。

犬の飼い主はよっぽどのうっかりさんなのか、それともたった3000円ぽっちをケチるほど貧乏なのか。
自分の犬が重大な病気になるかもしれないという想像もできない愚鈍なのか。登録しておけば、万一迷子になったときに探し求める手がかりになるということすら思いつかないのか。
犬を飼っている人間の半分が、それほどまでに馬鹿だといういうことには愕然としてしまう。
狂犬病予防接種をじぶんの犬に受けさせていない、500万頭の飼い主に、犬を飼う資格はあるのかどうか。個人的にはないと考えるが、そんなことはどうでもいい。あんたに資格はないといったところで、そういう飼い主は耳を貸さないだろう。
「うちの子は注射が嫌いなの」
好きな犬がいるものか。その“うちの子”のためにすることだろうが。
「日本では狂犬病はないんでね」
今まではな。今後、世界のあちこちから動物が輸入され、そのうちの1匹が狂犬病にかかっていないという保証はないんだけどなあ。わざわざ狂犬病の発生が少ない(=検疫のチェックがゆるい)国に一度運んだ上で日本に輸入する業者もいるんだけど。

しかし何を言っても無駄なような気がする。
ただひたすら、そういう人間に飼われた犬が哀れでならない。

ちょうど今日、うちの犬の、狂犬病予防接種済みのタグが届いたところだったので、少しばかり熱くなってしまった……。

投稿者 percent : April 27, 2004 03:14 AM | トラックバック (1)
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コメント
まあ気楽にコメントしてくれたまえ。もうしわけないが、スパムが多すぎなのでコメントは管理者の承認後、掲載される。まあ気長に待ってくれたまえ。









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