December 27, 2004

少女化けゆく……

朝日新聞の朝刊1面に、大岡信の「折々のうた」というコラムがあるんです。折々の短歌を紹介して、解説するという5センチ四方ぐらいのちっちゃな記事。あんまり目にはとまりません。
でも、こないだの土曜日(2004.12.26)のそれは、なぜか目に飛び込んできたんですな。
紹介されていた歌はこんなやつ。

つけまつげ、まゆずみ、くちべに
次々と少女化けゆく昼の車内に

やられたー(笑)。
作者は丹波真人(たんば・まさんど)。もちろん全然聞いたことありません。業界で有名な人なのかそうでないのかも知りません。平成15年の歌集に入っているそうなので、最近の人なのでしょう。あたりまえか。
いやあ、いいなあ。
たまに見かけますが、ほんと、化けてますな。ついついまじまじと見てしまいますが、そういう視線すら“注目されたい乙女心”の肥やしになってるのではとさえ思える。出来上がりがすごくよくなってるかというと、そうでもないってところが哀しい。化粧してそれかよ、みたいな。家でじっくり時間かけて念入りにやったほうがいいんじゃないですか、と言いたくなってしまうような。赤の他人に見られる分にはかまわんのだろうけれど、知人、あるいはその化粧した顔を見せたいと思っている相手に目撃されたらどうするんだろう……。

それに対する大岡信の評も、愉快というかなんというか。

まわりの同車の連中など眼中にない。このような少女たちが出現してくるのをみると、時代が平安朝末期とか室町時代のいわゆる乱世のころにさかのぼっているような気さえする。そのころも都には、似たような女たちがいたようだ。

平安までさかのぼりますか、せんせい。


【この「折々のうた」を取り上げていたWeblog】
暁烏:白昼堂々(2004.12.26)
tabaccosen:○ つけまつげ、まゆずみ、くちべに ・・・(2004.12.27)

【原文キャッシュ】
ウェブでは当日の朝刊しか見られないようですが、Googleのキャッシュに残っていたので、大岡せんせいの評の全文を見たいかたは参照してください。

投稿者 percent : December 27, 2004 11:29 PM | トラックバック (0)
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コメント

いやしかしね。“くちべに”はいいとしても“まゆずみ”て。短歌だからかもしんないけど。でもなあ。やっぱ“まゆずみ”はないよなあ… 

Posted by: こたまりんば : January 1, 2005 11:32 PM

アイラッシュ、眉毛も描いて、ルージュ塗り
香水ふりかけ、まわり迷惑     (ぱと)

Posted by: ぱと : January 9, 2005 02:14 PM
まあ気楽にコメントしてくれたまえ。もうしわけないが、スパムが多すぎなのでコメントは管理者の承認後、掲載される。まあ気長に待ってくれたまえ。









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