シンボル役に星野さんら 6月設立の「おやじ日本」(NIKKEI NET)
東京都は12日、子供の健全育成のために活動する父親グループの全国的な交流組織「おやじ日本」のシンボル役として、プロ野球阪神前監督の星野仙一さん(57)と狂言師の野村萬斎さん(38)に協力してもらうと発表した。
全国的な父親の交流組織っつうのがまず気持ち悪い(笑)。
そして、なんで東京都がそんなことを《支援》しなきゃならんのだ、という気もする。気もしますが、まあなんでもかんでもイベントにして盛り上げたいんでしょう。けっ。
人選は野球の星野と狂言の萬斎。星野はいいとして、狂言師の野村萬斎というのは謎に思った人も多いかもしれませんね。38歳でオヤジっつうのも気の毒だし。
でも私は、以前テレビで彼が自分の子供に稽古をつけるという番組(NHKの「にんげんドキュメント」だったか……えーとえーと、あった、これだ。ここの3月26日のところです。タイトルは『野村萬斎 わが子を鍛える〜狂言三代の初舞台〜』)を見たことがあるのであんまり意外じゃなかったです。
萬斎氏が3歳の息子君に初舞台を踏ませるんですな。『靭猿(うつぼざる)』という作品の猿役で。
狂言は猿に始まり狐に終わる、と言われてまして(番組の受け売り)、一番最初は猿曳き(萬斎)の連れている猿の役をやらされるわけです。
動物役だからたいしたことないと思われるかもしれませんが、これがけっこう大変そうなのよ。でんぐり返ししなくちゃいけないんだけど、なんせ3歳ですからね、そういう段取りなんかもついつい忘れちゃう。
パパではあるけれども師匠でもある萬斎氏は当然怒ります。3歳児は泣きながらも「はい」と答えるわけです。もう健気っちゅうかなんちゅうか、ちょっといいんだよなあ。
いつか再放送があったらみてくださいよ。
で、まあそういうシーンを見て厳しいオヤジととるか厳しい師匠ととるかは別問題で、私はあれは師匠だろうと思うんですが、東京都はあれをオヤジととったのでしょう。
どっちでもいいわな。
子供にとっては今はパパ今は師匠なんて関係ないですからね、なんで俺は猿のお面かぶってとんだりはねたりしなきゃいかんのだとも思ってないでしょうしね。とにかくそういうことをするのが生まれたときからの彼の生活なわけで。
2歳だろうと3歳だろうと、たぶん関係ない。ボス(親だって群れのボスだし師匠であれば当然ボスだ)に従うということに理屈はない。ボスが真剣に命じれば、子供は真剣に受け取り、従うんだな。
虐待とかじゃないですよ。なんの裏付けもないバカが自分の欲求不満を解消するために子供を虐待するのとはまったく違う。
虐待と真剣は違う。当然のことですが、わかってない連中も多そうだ。
犬のしつけも同じであって、真剣にコマンドを発することによって、言葉以外のものが相手(この場合は犬)に伝わる。こちらがテキトーに発話したって、敵はおうことなんかききやしません。
話があちこち飛びますが。
3歳児だって、親のいうことをまじめに聞くことが、できる。狂言の段取りのように複雑なことではなく、日常生活のささいなことなら簡単だ。
真剣に、いいきかせてみてほしい。たとえば「マンションの外廊下で走り回って遊んではいけない」とか。たとえば「電車のなかで騒いではいけない」とか。
頼むよ。
やーさいきんの親御さんはお子さんを叱ったりしませんよ。
先日投球ハンズに行ったんですけど、文房具売り場でちっこい姉妹が床に
座り込んで売り物のメモ帳を荒らしていました。近くに親がいましたよ親
が。んで、注意するかと思ったら「○○ちゃん、なんかいいのあった〜」
だもんよ。「しんじらんない!」って思わずでかい声で言っちまったさ。
んで「おやじ日本」だが、おやじたちがおやじたちだけのためにやってる
ような気がしてならない。そこはかとなく「団塊」のニヲイもするしさ。
じゃあどうすりゃいいのさ、って訊かれても、なんの提案もできませんが。
おやじさんたちにおかれましては、とりあえず世間や社会へアピールするまえに自分らの子供をしっかりしつけろと。ま、そういうことですな。