March 31, 2004

中村うさぎは小説に向いてない?

中村うさぎ『月9』(朝日新聞社)読了。

“業界騒然の超モデル小説!”

とオビでは煽っていますが、どうにもこうにもひどい。考えてみれば中村うさぎの「小説」を読むのは初めてなんですが、この人もともとはジュニア小説でデビューしてるんだよねえ。こんなんでよくやっていけたものだ。こんなんだからやってられた……とは思いたくない。
月9とは月曜夜9時からのテレビドラマの別名で、こないだまではキムタク主演で「プライド」っつう制作者のプライドはどこにといいたくなるようなやつをやっていた、その枠です。フジテレビ以外の月曜9時枠も月9と呼ぶのかどうかはしらない。
で、そういう枠の脚本を書けるようになると脚本家としては一人前なんでしょう、たぶん。だいぶ売れっ子ってことだよね? この小説に出てくるのは、中堅どころの脚本家で、ひとりは落ち目、ひとりは上り調子。ねたんだり足をひっぱったり悪い噂を流したり男を奪いあったり呪ったりと、まあどこにでもあるようなことがあるわけですが、そこに南米土産の呪いの人形をからめてサイコサスペンスっぽくしてみましたー、という感じです。
……屁のつっぱりにもならねえ。
業界を騒然とさせるならもうちょっとリアルに書いてくれ。大物脚本家長本詩織ってのは橋田壽賀子なのか? ちがうのか。もうちょっと若めか。自サイトで自作自演自画自賛したというテンパっちゃった脚本家は出てこないのか(笑)。
「あんたは私の犬よ!」ってせりふは、岩井志麻子が島村洋子に言われたってどこかで読んだ気がするが、それがヒントになったのかな。
文章だって、エッセイならいいが小説でこれじゃあなあ。もうちょっとなんとかならないものか。

頭から、ざばりと冷水を浴びせられたような気がした。(p211)

ださ……。いやこれくらいは別に問題でもなんでもないんですが、ちょっと目についたので。もっとすごいのがあったような気がするんだけど、別の本かもしれない。調べる気力もないからまあいいや。
エッセイは嫌いじゃないんだけどね。まあテレビにもがんがん進出してるみたいだし(NHKの新番組「今夜は恋人気分〜とっておき夫婦物語〜」の司会をやるようです。それにしてもすげえタイトルだな)、あんまり小説には力入れなくてもよさそうな感じが。

投稿者 percent : March 31, 2004 04:08 PM | トラックバック (0)
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コメント
まあ気楽にコメントしてくれたまえ。もうしわけないが、スパムが多すぎなのでコメントは管理者の承認後、掲載される。まあ気長に待ってくれたまえ。









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