April 16, 2004

いやなことば[服飾関係]

なんかいやーな言葉というのがある。まったくもって個人的な感覚の問題で、例の“身内の懐妊”とかね。そういう言葉。
食品関連だと、“海老のプリプリ感”とか。うまそうに聞こえません。でもテレビではよく使われるよね。“ゼラチン質”とかさ。なーんか、いやなんですわ。

さて。今日、某百貨店からダイレクトメールが届いた。夏物の紹介だ。ぱらぱら見てると、あ、これイヤっていうのを発見。

その1 シャリ感

適度なシャリ感と柔らかさが魅力のジャケット。(アルマーニ コレツィオーニ)
シャリ感のある涼しげな風合いのジャケットに、はっきりとした色合いのシャツで、大人のカジュアルを演出。(ヘンリーコットンズ)

なんなんでしょう、「シャリ感」。シャリシャリしてるんだろうな。多分、仏舎利とは関係ないだろうし、寿司屋とも関係ないと思う。
アルマーニのほうは麻50%、レーヨン50%だ。ヘンリーコットンズは綿60%、ナイロン40%だから原料によるわけではないらしい。単に肌触りが“しゃりしゃり”しているものと思われます。
ごはんつぶがついてるわけではない。よかったよかった。

その2 スリッポン
これは別にね、そういう名詞だっつうんならどうしようもないんですがね。

一足は持ちたい、リゾートでも大活躍のスリッポンです。(サントーニ)

英語の"Slip-on"だと思うんですが、リエゾン(っていっていいのか)してスリッポン。
理にかなって……るんだろうな、きっと。でもなんか安っぽい印象になってしまう。スリッパ(これもSlippersだから語源は近いか)みたいな、デコポンみたいな、そんな感じ。スリップ! オン! と力強く発声したくなる。
いや、発言するときはまあいいか。聞いたとき「すりっぽん」と「すりっぷおん」なんて区別つきにくいでしょうからな。でも文字で見るとやっぱり違和感が。スリッポン。灘の生一本。

シャリ感なんかもね、最初に見つけたというか使った人は偉かったんだと思うよ。
このさらさらした感じ……さらさらっていうよりしゃりしゃり? お、シャリシャリ感。いいなこれ。でもちょっと長いか。シャリ感。いいねいいね山ちゃんいいねそれ、シャリ感、いいね。それ使ってみようそれでいってみよう。
で、ファッション雑誌で使われるようになるぐらいならいいんですが。それがどんどん広まってあちこちで使われ、ワタクシのようなファッションにうとい人間の目にとまるようになると、もうね。
Googleで検索してみますと「シャリ感」の検索結果 約 3,940 件、ですと。果物にもけっこう使われてるようです。(でも、林檎を食べたときはシャキシャキのような気もするな。いずれにしても、シャキ感もシャリ感もフレーズ2つ重ねの語なのに1つで使おうっていうのがイヤだ。話がずれすぎ。)
スリッポンは8080件、スリップオンは11500件(スリップ・オンは8900件)。こちらはまだスリップオンのほうが強いみたい。よかったよかった。

投稿者 percent : April 16, 2004 01:10 AM | トラックバック (0)
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コメント

こんにちは。わたくしは化粧品などを語る文章でちょくちょく見かける「シアー感」がひそかに苦手です。
シアー=sheer(透きとおる)なんだろうけど、脳裏にはshear(剪断する)やsear(ひからびる)も一緒に浮かびます。唇にシアー感の出る口紅……こわっ。

Posted by: ならの : April 16, 2004 10:13 AM

おお、ならのさん、どうもどうも。
シアー感は知らなかったな。女性誌をつぶさに観察すると他にもいろいろありそうだ。
名詞ですが「リップグロス」とかの「グロス」も、なんか"gloss"より"gross"を思い浮かべちゃったり……。

おまけ
「新英和中辞典」(研究社)より
gloss 1 光沢、つや 2 虚飾、見せかけ
gross (1-4省略) 5 《米俗》実に不快な、胸の悪くなるような

Posted by: ぱと : April 16, 2004 03:32 PM

スリッポン、化粧品とくれば、やはり「ホネケーキ」でしょう。
子供の頃、母親の鏡台をあさっていて「なんじゃこりゃ」と思った人は
少なくないでしょう。「骨ケーキ」ってあてちゃうよなどうしても。
似たようなもので「ハネジューメロン」というものありますね。

Posted by: P柿 : April 28, 2004 03:28 PM

お洋服方面では、女性誌が好んで使う「きれいめ」というのがわたしは
イヤです。「きれいめのシャツ」とかさ。なんだよ「きれいめ」ってよ。
「シャリ感のあるきれいめのトップに流行のカーゴパンツを合わせて」
ああ、やっぱしイヤ。

Posted by: P柿 : April 28, 2004 03:32 PM

「ガーリー」っつうのもあったよ。
「メンズのシャツをガーリーに着こなして」ってやつさ。
解説よろしく>ぱと わしこれから出かけなきゃならぬ。

Posted by: P柿 : April 28, 2004 03:34 PM

柿P姐さん、どうもどうも。

「骨ケーキ」ありましたな。わたしの母親も使ってました。何歳ぐらいまで骨だと思ってたっけなあ。"honey cake"と知ったときには愕然としました(いやそこまででもなかったか)。
そこらへんは明治以降、英語が流入したときの転用のしかたに通じるものがあっておもしろいですな。キャベツだって、「キャベツ」っていったってあっちの人には通じないだろうしね。八百屋が「キャ別」と書くのはまた別のなにか奥深いものがありそう……か?

「きれいめ」は微妙。「新しめ」っつうのもありますしね。「おしめ」とか(違います)。

「ガーリー」ねえ。寿司屋みたいだ。
ただ、英語の"girlie"だとちょっとエッチ系な意味になるんですよ。PlayboyとかPenthouseとかあの辺の雑誌をgirlie magazineと呼んだりもする。
研究社の「新英和」だと、《俗》印がついていて(俗語ってことです)、その1が「〈雑誌・ショーなど〉ヌード女性(が売り物)の.」でその2が「 [軽蔑的に] 娘さん,女の子.」であると。
なんで日本では「ガーリー」が定着したんですかね。やはり「ギャル」が流行ったから(&「ギャル」が古くなってしまったから)とかそういうことでしょうか。


Posted by: ぱと : April 30, 2004 02:57 AM
まあ気楽にコメントしてくれたまえ。もうしわけないが、スパムが多すぎなのでコメントは管理者の承認後、掲載される。まあ気長に待ってくれたまえ。









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